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何故?住まい信託

 

例えば、ある男性のケース、年齢は65歳、自分名義の住まいもあり、毎日元気に定年退職後のセカンドライフを妻とともに過ごしていました。

 

しかし、67歳の時、認知症を発症、男性の認知症は進行が早く、衰えも加わり、自身がどのように過ごしたかが分からなくなることが多くなりました。

さらにしばらくすると、症状が悪化、奥様の助けがないと日常生活を送る上で支障が生じることが出ることが多くなりました。

そこで、困った奥様は、ご主人名義の住まいを売却して、サービス付高齢者向け住宅への住かえができないか、近くの不動産会社に相談に出向きました。

 

すると、不動産会社の宅地建物取引士から思ってもみないことを言われました。

 

「ご主人さまの認知症の状態によっては、売却が簡単にはいかないことが想定されます」。

 

「何故ですか?」。

「住まいの売買は、売主さんである登記名義人が自らが売却する判断をして、そのことをはっきりと意思表示する必要があります」。

「妻の私が代わって手続きができないのでしょうか?」。

​「その場合、ご主人が売却にともなう事務手続き一切を奥様に任せるという委任状が必要ですが、それでも、本人にお会いして売却の意思、奥様に手続きを任せるという意思の確認をすることになるので、結局、ご主人様の売るという判断能力と、そのことをはっきりと意思表示ができることが必要になります」。

このような事例は、少なくないのが実情です。

 

日本では、亡くなるリスクと合わせて、長生きをすることで生じるリスクがあり、50歳を超えたら元気なうちに住まいの対策を考えておく必要があります。

認知症を発症したり、事故により判断能力や意思表示することができなくなるリスクは誰にでもあるので、将来を見据えて信託法に基づく民事信託としての住まい信託を住まいのソリューション(解決法)として考えておくことは大切です。

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